「....はい、捕獲」
頭上から不機嫌な声色が降ってきた。
律くんは私の首に両手を回し、顎を私の頭にのっける。
「り、律くん....!?」
というか、捕獲って....!
まるで動物を扱うみたいではないか。
「未桜すぐどっか行くから。逃げられないように」
「....っ、に、逃げないもん」
ぎゅっと腕の力が強まる。
まるで『離さない』といわれているみたい。
....って、私、自意識過剰!
「あ、あの、律さん....!」
律くんを呼ぶ声で顔を上げれば、男の子が二人、私たちの前に立っていた。
律さん、と呼んでいるし、下っ端しさんかな?



