第1章 始まり
1 入学
肌寒い風が少しずつ暖かくなってきた。さくらはまだ咲かないけれど、春は確実に近づいてきてる。 4月、晴れて県立常盤台高校の生徒となった私は、ルンルン気分で学校へと向かっている。
入試前はピリピリしていたし、思いっきり羽を伸ばせる! そんな気分で通学しているのだ。
と、先を見ると同じ中学の柚希(ゆづき)がいた。
声をかけてみた。
「おはよ!」「あ、梨乃じゃん!久しぶりだね」
柚希は変わらない明るさで返してくれた。
「うん、久しぶり! 柚希は誰か待ってるの?」
「うん、青山中から来た渚ちゃん。あの子ここに来るって言ってるのに全然来ないんだよねー笑」
「あっ、そっかー」
柚希はもう他校の友達が出来ているのか。なんだか寂しい。
と、いう私の気持ちが伝わったのか
「梨乃も、一緒に来る?梨乃のこと渚ちゃんに紹介したいし」
と、言ってくれた。
「ほんと!!!」「うん、いいよー」
そして、2人で渚ちゃんを待つことにした。
しばらくして、渚ちゃんがブンブン手を振って走ってきた。名前の通り焼けた肌の似合う爽やかな子だった。
「ゆーづーきー!!遅れてすまーん!笑」
「おそーい笑 てかどうしたの?」
「寝坊寝坊、あれお隣さんは?同中?」
「うん、梨乃っていうの。この子頭いいくせに常盤台来たんだよ?笑」
「うわぁー笑エリートさんは私受けつないぜー?」
わたとても賑やかな2人になかなか入っていけず、ワタワタしていたら柚希が
「梨乃からも、自己紹介しなよ?」
と振ってくれた。
「えと、石田莉乃って言います!渚ちゃん、よろしくね!!」
「堅いぞー梨乃ちゃん笑 よろしくなー」
渚ちゃんはそう笑って握手してくれた。
『きっと、楽しい高校生活になるんだろうな』
そう強く思った。
2 一週間後。
入学し、1週間が経過した。最初は馴染めるか不安だったが近くの子とは話せるようになってきた。1つアンラッキーだったのが、柚希と、渚ちゃんがほかの組になってしまったこと。二人いれば心強いと思ったのになぁ...
なんてことを考えていると、朝の会を告げるチャイムがなった。チャイムが鳴ると、担任の富永先生が入ってきた。富永先生はとても穏やかに私たちを見守ってくれる女の先生だ。
けど、男子達に馬鹿にされないか不安だ。
「はいそれでは挨拶をお願いします」
先生が朗らかな声で言った。
少しガヤガヤしているが委員長が
「起立」と言うと、直ぐに静かになった。
「これから朝の会を始めます」
「お願いしまーす」
先生が初連絡をすると、手短に朝の会を終わらせた。
さて、1時間目はなんの時間かな…
と、後ろから声をかけられた。
「梨乃ちゃん…だっけ? 1時間目なんだっけ?」
後ろの席に座っている、たしか…聖華(きよか)ちゃんだよね。
「んー、ちょい待ってねー…数学?だと思う」
「りょーかいー。」
あ!そうだ、肝心な事聞いてないや。
「聖華ちゃん、どこ中だったの?」
「ん?うち? うちは京利中だよ。めっちゃ山。」
「私もだよ! 山と田んぼだけ笑 あ、山代谷中学校ね。小中併設なんだけど超ちっちゃい」
「え、何人?」
「んー、小中合わせても80人しかいないよ」
「はぁ!?笑」
「少ないでしょー笑」
「あれ、聖華めっちゃ話すじゃん、何ちゃんだっけ?」
後ろから。背の高い子がやってきた。
「あ、もしかして聖華ちゃんの友達?」
「そう、桃愛だよ。なんか話してるから、なんだろうって来てみた」
背の高い子は桃愛ちゃんと言うようだ。
1 入学
肌寒い風が少しずつ暖かくなってきた。さくらはまだ咲かないけれど、春は確実に近づいてきてる。 4月、晴れて県立常盤台高校の生徒となった私は、ルンルン気分で学校へと向かっている。
入試前はピリピリしていたし、思いっきり羽を伸ばせる! そんな気分で通学しているのだ。
と、先を見ると同じ中学の柚希(ゆづき)がいた。
声をかけてみた。
「おはよ!」「あ、梨乃じゃん!久しぶりだね」
柚希は変わらない明るさで返してくれた。
「うん、久しぶり! 柚希は誰か待ってるの?」
「うん、青山中から来た渚ちゃん。あの子ここに来るって言ってるのに全然来ないんだよねー笑」
「あっ、そっかー」
柚希はもう他校の友達が出来ているのか。なんだか寂しい。
と、いう私の気持ちが伝わったのか
「梨乃も、一緒に来る?梨乃のこと渚ちゃんに紹介したいし」
と、言ってくれた。
「ほんと!!!」「うん、いいよー」
そして、2人で渚ちゃんを待つことにした。
しばらくして、渚ちゃんがブンブン手を振って走ってきた。名前の通り焼けた肌の似合う爽やかな子だった。
「ゆーづーきー!!遅れてすまーん!笑」
「おそーい笑 てかどうしたの?」
「寝坊寝坊、あれお隣さんは?同中?」
「うん、梨乃っていうの。この子頭いいくせに常盤台来たんだよ?笑」
「うわぁー笑エリートさんは私受けつないぜー?」
わたとても賑やかな2人になかなか入っていけず、ワタワタしていたら柚希が
「梨乃からも、自己紹介しなよ?」
と振ってくれた。
「えと、石田莉乃って言います!渚ちゃん、よろしくね!!」
「堅いぞー梨乃ちゃん笑 よろしくなー」
渚ちゃんはそう笑って握手してくれた。
『きっと、楽しい高校生活になるんだろうな』
そう強く思った。
2 一週間後。
入学し、1週間が経過した。最初は馴染めるか不安だったが近くの子とは話せるようになってきた。1つアンラッキーだったのが、柚希と、渚ちゃんがほかの組になってしまったこと。二人いれば心強いと思ったのになぁ...
なんてことを考えていると、朝の会を告げるチャイムがなった。チャイムが鳴ると、担任の富永先生が入ってきた。富永先生はとても穏やかに私たちを見守ってくれる女の先生だ。
けど、男子達に馬鹿にされないか不安だ。
「はいそれでは挨拶をお願いします」
先生が朗らかな声で言った。
少しガヤガヤしているが委員長が
「起立」と言うと、直ぐに静かになった。
「これから朝の会を始めます」
「お願いしまーす」
先生が初連絡をすると、手短に朝の会を終わらせた。
さて、1時間目はなんの時間かな…
と、後ろから声をかけられた。
「梨乃ちゃん…だっけ? 1時間目なんだっけ?」
後ろの席に座っている、たしか…聖華(きよか)ちゃんだよね。
「んー、ちょい待ってねー…数学?だと思う」
「りょーかいー。」
あ!そうだ、肝心な事聞いてないや。
「聖華ちゃん、どこ中だったの?」
「ん?うち? うちは京利中だよ。めっちゃ山。」
「私もだよ! 山と田んぼだけ笑 あ、山代谷中学校ね。小中併設なんだけど超ちっちゃい」
「え、何人?」
「んー、小中合わせても80人しかいないよ」
「はぁ!?笑」
「少ないでしょー笑」
「あれ、聖華めっちゃ話すじゃん、何ちゃんだっけ?」
後ろから。背の高い子がやってきた。
「あ、もしかして聖華ちゃんの友達?」
「そう、桃愛だよ。なんか話してるから、なんだろうって来てみた」
背の高い子は桃愛ちゃんと言うようだ。
