「だから、しばらく実家に帰ってもいいですか?」

私は深く頭を下げる。探偵の助手なのにこんな勝手なこと、許されるのだろうか。

ふわりと私の頭に手が乗せられる。右京さんの大きな手だ。

「……行ってこい。また調査に付き合ってもらうぞ」

「うんうん!ちゃんと仲直りしておいで!」

右京さんと東さんが微笑む。私は、涙を目に溜めながら頷いた。

サヴァン症候群の右京さん、赤い髪の東さん。そして、片目が紫の私。

ずっと、自分が大嫌いだった。普通になりたかった。

でも、もうそんなことどうでもいい。だって……私は居場所を見つけられたから。