右京さんが私を見つめる。……当たりだ。

「えっ?えっ?」

戸惑う東さんに右京さんは説明を始めた。

「僕は、蘭の両親と知り合いだ。血液型を聞いたことがある。二人の血液型はO型とB型だ」

私の血液型はA型。……O型とB型の間に、普通A型の子供は生まれない。

幼い頃から、両親はずっと血液型の話を避けていた。そのため、中学生の時にこっそり両親の血液型と自分の血液型を調べたのだ。そして、血がつながっていないことを知った。

ショックで、胸が張り裂けそうだった。なぜ、親は話してくれなかったのか。それだけが頭の中で巡った。

そして、自分のDNAを調べた。そこで、自分の中にロシアの血が流れていることなどを知った。

もう家族とは分かり合えない。そう思い込んでいた。しかしーーー。

「あのエキノコックス事件と関わって、家族に謝りたいと思ったんです。私は全然不幸じゃなかった。ちゃんと愛されて、大切にされていた。それにあの事件を通して気づいたんです」