Violet Detective

「でも、私だけならともかくなぜ寺井まで共犯だとわかったの?」

京子の問いに、私が答える。

「パーティーでマジックが披露されることになった時、寺井さんは一人一人にバラの花を渡していました。真っ赤なバラです。しかし、私と右京さん、東さん、そして京子さんだけ渡されたバラの色が違いましたよね?」

「ええ。たしか……黄色……」

「黄色は、日本を含めたアジアでは希望や永遠の豊かさなどの象徴です。しかし……ヨーロッパでは「裏切りの色」「卑しい色」とされているんです」

寺井は、色を使って京子が犯人であることを教えようとしたのだ。

「謎の感染症に怯えるふりをして、それをバラまいた人物がいる。そう伝えたかったのではないでしょうか?黄色のバラをもらったのは、私たち探偵以外にはあなただけですし」

「エキノコックスは、寄生虫の卵が体内に入れば感染する。倉本は寺井のバーの常連だった。酒にでも混ぜたんだろう」

右京さんが言った。京子は大きくため息をつく。