調査を始めると右京さんが言ったその日には、研究所にパーティー会場にいた人物たちの資料があった。
西園寺虎徹。西園寺グループの会長。京都出身。T大学を首席で卒業。五十八歳。
西園寺朱美。虎徹の妻。北海道出身。旧姓は尾口(おぐち)。20××年に長男を出産、その三年後に次男を出産。五十六歳。
寺井広樹。虎徹の屋敷の使用人。五年前までバーを経営していた。千葉県出身。美術大学卒業。四十四歳。
屋敷の人間と、パーティーに招待された人物をわける。その時に、私は朱美と寺井の会話を思い出した。
「右京さん、実は気になる話を朱美と寺井がしていました」
それは、倉本が死んでよかったという話。それをすると、東さんの表情が険しくなる。
「最低だね!友達が亡くなったっていうのに……」
「倉本……。エキノコックスで亡くなった男も、たしか倉本という名前だったな……」
私と東さんは覚えていないので首を傾げるが、サヴァン症候群の右京さんが言うのなら間違いないだろう。
西園寺虎徹。西園寺グループの会長。京都出身。T大学を首席で卒業。五十八歳。
西園寺朱美。虎徹の妻。北海道出身。旧姓は尾口(おぐち)。20××年に長男を出産、その三年後に次男を出産。五十六歳。
寺井広樹。虎徹の屋敷の使用人。五年前までバーを経営していた。千葉県出身。美術大学卒業。四十四歳。
屋敷の人間と、パーティーに招待された人物をわける。その時に、私は朱美と寺井の会話を思い出した。
「右京さん、実は気になる話を朱美と寺井がしていました」
それは、倉本が死んでよかったという話。それをすると、東さんの表情が険しくなる。
「最低だね!友達が亡くなったっていうのに……」
「倉本……。エキノコックスで亡くなった男も、たしか倉本という名前だったな……」
私と東さんは覚えていないので首を傾げるが、サヴァン症候群の右京さんが言うのなら間違いないだろう。