────ガラガラガラッ

「みなさんおはようございます。
先生は元気で〜す。」

建付けの悪い戸を開け、悪びれもせずに遅刻してきた彼-水瀬真斗は新任の化学教師で、私の片想いの相手でもある。

「せんせ〜い。もーう、遅刻ですよぉ?」

「悪い、悪い。寝坊したんだよ((笑」

クラスの女子にお説教をされているが、
さほど反省もしていないのかそそくさと授業を始める彼。
しかしみんなそれほど文句を言わないのは
やけに整った顔立ちや、男性のわりには細身の体。
そしてミステリアスな雰囲気は男女問わず人気があるからだろう。
しかし私が彼を好きになったのは
それ以外にもある。