1人での寂しい登校がこんなふうになるなんて、思ってもみなかった。
少しだけ、樹くんの事を忘れられたような気がしたけど現実に戻されるのはあっという間。
1組に入っていく姿。
それは樹くんとあの子のものだった。
二人から逃げるように教室に駆け込んだ。
「おっはよ〜!」
久しぶりの学校に久しぶりの利己
「柚乃〜!!大丈夫なの?!?!」
教室に入るなり私の元に駆け寄ってきてくれる利己や友達。
それだけで心が救われた。
それから利己と話して席についた。
私が今日から復帰って聞いて利己が買ってきてくれた大好きなキャンディを見ながら、
「なんだか誕生日みたいだな…」
なんて考えていた。