それから時間が過ぎるのはあっという間で、すぐに放課後が来た。

流石の私も、何もなかったかのように樹くんと帰れるほどのメンタルの強さは持ち合わせていない。





’’今日部活??''

''ないよ ''

''そっか、今日は別々で帰ろ''




樹くんにLinを送って学校を出る。

返信なんて見ていない。
きっと止められないし、理由だって聞かれない。
それすらも今は涙腺を緩める材料にしかならない。

そっと電源を落としていつもの道を歩く。
樹くんがいないだけで、いつもの景色が違って見えた。


悪い意味で違って見えた。