目的地に近づくに連れて、喪服姿の人が目立つようになった。

辺りに立ち込めるお香の香りが、一年前の出来事を無理矢理引っ張り出してくる。

周囲には僕と同じような年の人もいるが、きっと中学校の時の同級生だろう。

式場に入り、空いている席を見つけて座る。






もうすぐ、彼女―――――永月夜空の一周忌が始まろうとしていた。