星空の下、ふたりの約束

画面には、祖母と表示されていた。

どうせまた、帰りが遅いとか言われるんだろうな。

溜息を付き、通話ボタンを押すといきなり耳が壊れてしまうくらいの大きな声が飛び出てきた。

「今すぐに帰ってきなさい!!早くしてね」

突然すぎて、驚いたがその声からただならぬ空気を感じ、走って帰った。

家の前まで来ると、タクシーが止まっておりそれに乗るよう促された。

祖母も同乗し、告げた行き先は―――――総合病院だった。

理由は何となくわかっていた。

忙しなくなるサイレン。

周囲を囲む黄色いテープ。

さらに、その光景を観ている野次馬。

なぜそこへ行くのか、何度聞いても答えてくれなかった祖母は、今考えると僕を想い、敢えて取った行動だったのだろう。

きっと、そのときに事実を告げられていたら僕は壊れていただろう。

乗っている最中、頭の中が真っ白だった。