星空の下、ふたりの約束

押し付けるようにして渡された鈴は、よく見てみるとどこにでもあるようなものとは違い、不思議な色をしていた。

暗くて見えなかったが、スマホのライト機能を使って照らすと、その鈴は桜を思わせる透明感のある薄ピンクと、秋の空のような群青色が混ざり、美しい宇宙を創り出していた。

所々にキラキラと、星を閉じ込めたようなデザインで見た人の心を惹き付けるこの鈴を、何故あの子は僕に渡したんだ?

やはり謎だ。よくわからない。

でも、あの強引なところはどことなく夜空に似ていた。

あの日―――去年の夏、僕を海に誘った時のように。