星空の下、ふたりの約束

ここに来たタイミングが、ちょうど中学三年生の春。

受験したのもこの町の星海高校で、特に問題はなかった。



でも、その他に問題があった。

三度目の引っ越しの後から、できるだけ人と関わらないようにしていた僕。

高校の入学式、きっと覚えている人はいない。

だって六、七年も前のことだ。

離婚して苗字も変わった。


そう思い、油断していた。


「咲夜だよね?!」

すっかり忘れていた。あの人の存在に。

元気で明るい、理想の子ども像のような。

少し強気なところは、「周りから頼りにされる」「みんなのリーダ―的存在」と言われて。

でも、誰よりも脆く、傷つきやすい。



「昔、隣に住んでいた夜空だよ!」
 


そう言った彼女は、にっこりと笑った。

あの頃と変わらない、笑顔だった。