『こっちだよ!はやくはやく!』

1人の女の子が、息を切らせている男の子に向かって声を掛ける。

『うん!』

男の子は笑顔で走っていく。

『きょうは、りゅーせーぐんがみえるんだって!』

『りゅーせーぐん?なにそれ』

『なんかね、すっごいたくさんのほしがそらでひかるんだって!』

と、その時。

『あっ!いまなんかひかったよ!』

『ほんとだ!』


ほんの一瞬だったが、流星が光ったのを見た。

『わぁー!きれい…』

星に見とれている女の子に、男の子がそっと近づく。

『また、こんなふうに星空をみたいね』

『うん』

『そうだ、お祈りしよう?今日みたいにふたりでみられますようにって。だって、今日は七夕だし』

『そうだね!』