「誰の邪魔も入らない部屋でキスしたのに、それ以上の事、仕掛けて来なかったんでしょ?」



“うん”と頷くと、アツの方をチラッと見て、“アイツやるねぇ〜”とまたため息を漏らした。




「ヤリたい盛りの高2男子が、そこまでやっといて、我慢するって相当なもんだよ?」



そうなの?


そういうもん??



にしたって、早すぎない?付き合ってまだ2週間なのに、すでにあんなキスしてくるくらいだから、私からしてみれば、相当手の早いヤツだよ?




まぁ言ってる事は、分からなくはないよ?



現に私だって、もっとキスしたい・・・もっと・・・もっと・・・って思っちゃったし。



だから、もしアツが本気で迫って来てたら、拒否る自信なんてないし、きっと流されて、私もしちゃってたかもしれない。




何ていうか・・・そうなってもいいって思っちゃうくらいアツの事好きだし、あのキスの時間がそうい事の前触れみたいな雰囲気を持ってる事も、ちゃんと分かってる。




でも、好きになる前は大嫌いだったんだよ?



友達以上恋人未満どころか、友達以下恋人不可だったアツと、今付き合っている事さえ、私はまだ戸惑ってる。




“好き”って伝える勇気さえないのに、やっぱりエッチはすべきじゃないと思う。



私はさ、これ以上嫌いになれない位に大嫌いからのスタートだったからさ、今ちょっとした優しさとかで、ぐんぐん好きがアップしていっちゃってるんだけど、


逆にアツは、何でか知らないけど、私の事かなり美化してると思うんだよね?だから、一緒にいればいるほど、知れば知るほど、“俺、何でコイツの事好きなんだ?”って気付いちゃいそうで怖いんだよね・・・。




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