せっかく高校生になったのに・・・



何でアイツが同じ高校なのよっ!!



私の事を、誰も知らない場所で、1から頑張ろうって思ったのに・・・。


よりによって、アイツが居るなんて・・・。




「おいっお前、数学のノート出せよ。」


・・・出たよ。



ムシムシ。



「早く貸せって!」


コイツはいつだって、偉そう。



「持ってない。他の子に借りればいいでしょ?」


アンタが頼めば、喜んで貸してくれるよっ!



「チッ・・・使えねぇヤツ」



本当にムカツク奴っ!!



「倉橋、私のノート貸してあげるよ!」


ニコニコ笑って、ノートを差し出す私の親友、水原有美(ミズハラ ユミ)。



ほっとけばいいのに〜。



「いいよ。多分、俺今日は当たらないし。」



ユミの親切を断って、さっさと自分の席に帰るアイツ。


だったら、初めっから言うなよなっ!



「やっぱりね〜。」


ユミは、意味あり気に私の顔を覗き込む。



1年の時に同じクラスになって仲良くなったユミ。


たくさん出来た友達の中で、唯一親友と呼べるのは、ユミだけ。



「倉橋ってモテるけど、彼女いないじゃん?しかも、自分から話かけるのって、コナンだけって知ってた?」


「だから何?」


「いいじゃん倉橋!さっさと付き合っちゃいなよ?」



はぁ〜。またこの話。



ユミはどうにかして、私と倉橋をくっつけたいらしい・・・。



「絶対ありえないからっ!私、アイツだけはどうしても、好きになれないし、だいたいアイツは私の事、女なんて思ってないしっ!」




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