アツはまっすぐ机に向かって、オルゴールを手に取った。



「本当に捨てずに持っててくれたんだ?」



アツの背中をギュッと抱きしめる。



「うん。アツ・・・今日ありがとう。すごく嬉しかった。」



アツがカチカチとぜんまいを巻くと、優しいメロディーが流れ出す。



クリスタルの天使が机の上で、可愛く回る。



二人でずっとそれを見つめていた。



音楽が止むと、天使は私達を見る様に正面で止まった。


そしてアツがゆっくり私に体を向けた。


優しく頬を撫でて、自分で言うのもなんだけど、本当に愛おしそうな目で私を見るアツ。



「コナミ、お父さんに先に言っちゃった。」



「ん?何を?」



聞き返しすと、アツは少しムッとした顔をして、ムギュと私の頬をかるくつねった。



「なぁに?教えて?」


「生意気なヤツめ。」



今、すごく・・・幸せだなぁ。



「アツ、キスしたいな。」



「後でな。」



クシャっと私の頭を撫でて、柔らかく笑う。



「ねぇいい?」



背伸びをして、アツの唇を見つめると、チラッと部屋のドアに視線を送った後、アツは私のお願いを叶えてくれた。



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