それが合図だったかのように、私達は夢中でキスをする。



唇を重ねるだけでは足りなくて、より深く、息をする事すら忘れてしまいそうなほど、ただお互いの存在を確かめたかった。



「あんま俺を誘惑すんなよ・・・」



もっと触れたい・・・もっと触れて欲しいのに、アツはそれ以上してこない。



ねぇ何で?


全然足りないよ。



欲求不満なのかな?


自分からなんて、恥ずかしくて言えないよ…。



「・・・アツ・・・ねぇ」

「ん?」



もどかしくて、キスの合間に名前を呼ぶ。



体が熱くて、頭がポーっとして、力が抜ける。



「・・・アツ・・・もうダメ・・・息が出来ない・・・」



唇が離れると、二人の息はすっかり上がっていた。



なんだかおかしくて、ちょっぴり恥ずかしくて、二人で顔を見合わせて笑っちゃった。




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