何度もキスを交わして、抱きしめあって、“大好き”って言って・・・




久々に感じた心の底からの幸せと安心感・・・



やっぱりここじゃないと・・・



アツの隣じゃないと、私は私でいられない。




「・・・もう帰っちまおっか?」



オデコをくっつけて、アツがニッっと笑う。



アツの頬を撫でて、“うん”と頷く。



「よしっ。ちょっと待ってろよ?」



クシャっと私の頭を撫でると、アツは私を残してひとりでカラオケに入って行った。



途端に寂しくなる。


アツのばか。ひとりにしないでよ。



早く帰ってきてよ。


空を見上げると、真っ暗で、何にも見えない。



明日は雨が降るかもしれない。



「・・・あっ」



よく目を凝らすと、小さく光る一つの星。



この存在に気づいている人は、この世界に何人くらいいるだろう?



たったひとつしかないその星の存在。



たくさんありすぎると逆に分からない。


星に向かって手を伸ばす。



今日の記念に持って帰りたいな。



「何やってんだ?」


振り返ると笑顔のアツ。



私のコートと鞄を持って、立ち上がるとすぐにまた抱きしめてくれる。



「みんな何て言ってた?」



「盛り上がってるから気付いてないんじゃね?水原にだけ言ってきた。」



私にコートを着せてくれるアツ。



ポケットの中で携帯が鳴った。



ユミからのメール。


【コナン!!おめでと〜!!】



たったこれだけの文に、ハートや星や笑顔のマークの絵文字がたくさん。



アツに見せると、ふっと笑って、私の携帯を取って返信メールを作った。



【いろいろ心配かけました。一生大事にするんで安心して下さい。ありがとう。 倉橋】



二つのメールを見て、また涙が溢れる。



「泣くなよ〜?」



「だって〜っ」



嬉しいんだもん。



胸がいっぱいで、勝手に涙が出ちゃうんだもん。




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