この事は誰にも話さなかった。
だって私はずるいから。
誰かに“大丈夫”って背中を押してもらえる事を期待してしまうから。
「コナン最近へん!!また何かあったんでしょ?」
するどいユミをごまかすのは大変だけど、
「何もないよ〜?最近ようやく高校3年生なんだーって自覚し始めて、プレッシャー感じてるだけ!」
もう頼らない。
アツの声が聞こえてくる度、アツの姿を見つける度に、胸の奥が苦しくなる。
毎晩ひとりで泣いても、朝になればまた、平気なフリをする。
私って成長しない女。
アツを忘れる事なんて出来ないのに、もう想っている事さえいけない事の様に感じる。
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