〜竹内side〜




中学の頃からつるんでいた篤貴に彼女が出来たと聞かされた時、名前を聞く前に、それが誰なのかはもう分かっていた。




「お前も知ってるヤツ。・・・成沢小南。」


「やっぱな。」



キャラじゃねーし。

何ちょっとハニカんでんだよ?




篤貴はもうずっと前から成沢の事が好きだった。


本人にそれを言うと、“違げーよ”って否定してたけど、一緒にいる俺にはもうバレバレ。



でもけっこういい加減に女と遊んでたから、まぁその程度なのかって思ってた。


正直、高校生になってからもまだ好きだったとは思わなかった。




彼女が出来てからの篤貴は、急に付き合いが悪くなった。



誘いの電話を入れても、



『コナミに聞いてみねーと。』




はぁあ??



お前、誰だよ??




たまに会っても篤貴の口からは必ず成沢の名前が出て来た。


しかも、自覚なしのノロケ。



「アイツ、ストローでジュース飲む時、鼻の穴が膨らむんだよ。鼻で息してんのかな?バカだよな?」



絶対今その顔思い出してんだろ?ってくらい、しまりのない顔。




「相当好きだろ?」


「・・・まぁな。」



否定・・・しねぇし。




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