翔子は、淋しい女だった。




仕事に忙しい両親に相手にされず、


与えられるのは金だけ。



何日も家に帰らなくても、誰も気付いてはくれなかった。



近付いてくる男に、愛情を求めた。



ただ、誰かに必要とされたい。



誰かに愛して欲しい。




でも、みんな自分の体の上を通り過ぎて行くだけだった。




俺も、その一人。





「誰も私を愛してくれない。いつだって私は体だけの女だった。」



泣き崩れる翔子を、真希が支える。



この二人の友情だって、危ういもんだろう・・・。




俺は翔子を責める事が出来なかった。



翔子を利用したのは、俺も同じだ。



こうなったのは、自業自得。




「お前、もっと自分大事にしろよ。
お前がそんなんだったらいつまでたっても、変わんねーよ。」


偉そうな事言って・・・

何様だよな?



でも、一個だけ言える事。



「本気で好きになれるヤツが出来た時、ぜってー後悔する。」



後悔したって、遅すぎる時があるんだよ。



変えられない過去が、大事なものを傷付けるんだ・・・。




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