だるく重たい体を起こして、キッチンへ下りて行く。



昨日は全然眠れなかった。



夜中に何度もアツに電話をかけてしまいそうになった。



今までもらったメールを読み返して、また泣いた。




バタン


冷蔵庫を開けて、またすぐに閉じた。



「・・・習慣ってこわ〜。」



もう、お弁当作んなくていいんじゃん。


「コナミ、お弁当?」



「ううん。作んない。」



朝ご飯の支度をするお母さんが不思議そうに首を傾ける。



毎朝、お母さんと並んで料理してたんだよな。



3つあるコンロを、いつも私が2つ占領しちゃってたんだ。



「お母さん作ってあげようか?アツくんの分も?」



「・・・コナミのだけでいい。」




ソファーに座って、ぼーっとテレビを眺める。



血液型占いでは、O型が1位。



恋愛運は5ツ星。



嘘つき。




「はい、ちょっと押さえてなさい。」



「え?」



「目。すごい事になってるわよ?それで学校行くつもり?」



差し出された蒸しタオルをゆっくり目に乗せる。



また、涙が出てくる。




「お母さん・・・ありがとう。」




何も聞かないね。



でも、気付いてくれてるんだね。



隣に座って、頭を撫でてくれる優しい手。



すごく安心する。




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