ゆっくり走り出した自転車。
いつもはアツの腰に手を回すのに、今日はそれすらできない。
二人とも無言で、ただ見慣れた景色をぼんやり眺めてた。
「アツ、違うよ?」
学校へ行くならここで曲がっちゃダメ。
こっちはアツのお家だよ?
私の問いかけに答える事なく、そのまま走り続けて、着いたのはやっぱりアツのお家。
「アツ・・・学校。」
「いいから来いよ。」
ちょっと痛いくらに腕を引かれて強引に玄関に押し込まれた。
そりゃそうだよね。
アツにしてみれば、私の態度は意味不明だよね。
おとなしく部屋に入って、テーブルの前に座った。
同時に後ろからギュッと抱きしめられて、ドキッとして、思わず息が止まりそうになっちゃった。
何かね・・・
すごく怖いよ。
私達、どうなっちゃうの?
アツ・・・私の事、好きだよね?
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