ドンッ



「痛っ」



「あっぶねーな。気をつけろ!!」



電車を降りて遊園地までの道の途中、人並みに逆らって走って来た人が、すごい勢いで私の肩にぶつかった。



アツは弾かれた私の体をとっさに支えると、その人を睨みつけた。



でもその人は、ペコペコと頭を下げてまた走って行ってしまった。




「クソッ・・・大丈夫か?」



そうやって私の事で怒ってくれるのはすごく嬉しい。


でも、



「ケンカっ早いんだから!相手が怖い人だったらどうすんのよ?」



「だってムカつくだろ?ぶつかるんだったら、他のヤツにぶつかれっつーの!」


めちゃくちゃだよ、アツ。



でもやっぱ嬉しいかも。



その後アツは、私の手を引いて、自分の背中でガードする様に入場ゲートまで導いてくれた。




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