バイト先とは反対方向だけど、アツも駅まで一緒に来てくれた。




「じゃあね篤貴。バイトもいいけどあんまり無理しないようにね?たまには電話しなさいよ?」



「冬休みの間にいっかい神戸行くから。父さんにも言っといて。」



ずいぶんあっさりしてるなぁなんて思って見ていたんだ。



でも、



「せっかく来てくれたのに、生意気な態度とってごめん。朝飯、うまかった。ありがとう。」



照れくさそうに視線を外しながらも、アツはお母さんに“ありがとう”と“ごめんなさい”を伝えたんだ。



ちょっとだけ感動しちゃった。



「コナミ、母さん頼むな?」



「うん。」



自転車で去って行くアツの背中に、ふたりで大きく手を振った。




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