「何だよ?寝坊したのまだ怒ってんのか?」



かわいいクリスマスツリーが置かれたテーブルに、うなだれる様に顔を伏せた私の頭の上から、アツの優しい声が聞こえる。





ついさっき聞いた声とは大違い。



『うっせーな。勝手に来るからだろっ』


まだ話は終わっていないと引き止めるお母さんを、強引に振り切って出てきてしまったけど・・・



「ねぇアツっていっつもあんなに偉そうなの?」



「何?」



「だから、親にいつもあんな口きいてんのかって聞いてんの!」



うちだったら間違いなくひっぱたかれてる。



「帰ったらちゃんと謝るんだよ?」



はいはいと適当に頷いて、窓の外に目を向けるアツの横顔を見ながら、心の中で叫ぶ。




この親不幸ものーっ!!




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