結局、アツを説得する事が出来ないまま、いつもの様にアツの自転車の後ろに乗せられた。





「コナンっ!ちょっとちょっと!!」



教室に向かって歩く廊下で、前から全力疾走で走ってくるユミに、アツと二人顔を見合わせる。



「倉橋悪いっ!ちょっとコナン借りるね〜」



そのまま止まる事なく私の腕を掴んで走り出すユミに、わけが分からないまま、連れ去られた。




静かな第2校舎に、二人の息切れする荒い呼吸音だけが響く。




「ちょっ・・・ユミ・・・何?・・・はぁはぁ」



「ごめんごめん・・・佐山についてちょっと分かった事があったんだ・・・はぁはぁ」



「えっ?」



ちょっと待ってと、右手を私の前にかざして、左手で胸を押さえながら呼吸を整えるユミに、もどかしさを感じながらも、次にユミから出てくる言葉を待った。



ようやく落ち着いたユミから聞いた話の内容に、私の頭は余計に混乱する。




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