2時間目が終わる頃には、アツの体調は最悪で、机に突っ伏したまま動かない。



首を触るとヤバいくらいに熱くて、寒い教室の中で、うっすら汗をかいているのに、カタカタと震えていた。



「アツ、寒いんでしょ?これまだ熱あがるよ?」



「大丈夫だっつってんだろ・・・眠いんだからあっち行けよ・・・」


もうっかわいくないっ!!



「佐山くんの事、心配してるの?」



「・・・・・・・・・。」




だから、帰りたくないんでしょ?



「学校終わったらお家行くから。大丈夫だから、今日はもう帰ろう?」



弱々しく首を振るアツ。



嬉しいけど、私の方が心配だよ。



アツの頭を撫でて耳元で囁く。



「アツ、好きだよ。私はどこにも行かないから、安心して?」



上目使いで私を見上げる。



熱のせいで少し潤んだ瞳が、ヤバいくらいに可愛くて、両手で頭を撫でると、不機嫌そうに睨む。





嫌がるアツにムリヤリ上着を着せて、駐輪場に連れて行った。




「お弁当食べて、暖かくして寝てるんだよ?」



「お前絶対来いよ?アイツに近づくなよ。」



「分かってる。」



「やっぱ・・・帰りたくない・・・」



ギュッと私の手を握りしめて、ため息を吐くアツをそっと抱きしめた。



「好きならちょっとは信用してよ?」



「・・・分かった。」




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