「ねぇ帰った方がいいよ?ね?今日はもう休もう?」



「・・・うっさい。・・・へっっぐしゅっ」



朝、迎えに来てくれたアツの顔は明らかに真っ赤で、鼻もグジュグジュ。



オデコに手を当ててみると、すごく熱くて、目も少し充血している。



「風邪ひいてんじゃん。」



「大丈夫だから、早く乗れよ。・・・へっっぐしゅっ・・あ゛ーっ」



もうっ!!いつからそんな学校が好きになったの?





昨日、“諦めないよ。”と、意味ありげな笑顔を残して佐山くんは帰って行った。




追いかけて何か言おうとしたアツを止めて、何とか帰ったんだけど、



正直、今日学校に行くのは気が重い。



おまけにアツは風邪ひきだし・・・




「いいって!」



「ダメっ!!しんどくなったら帰るんだよ?」



アツにムリヤリ自分のマフラーを巻き付けて、自転車の後ろに跨った。




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