「どういう意味だよ?」



「そのまんまの意味。俺は、成沢の事が好きだ。好きな女が他のヤツと付き合ってて、これ以上黙って見てられねー。」


・・・どうしよう。



もう嬉しいとか思えない。



困るよ・・・。




「あの佐山くん、ごめんね?私、アツの事が好きなの。だから・・・アツと別れたくない。佐山くんとは、付き合えない。」


二人の視線が、私に集まる。



アツに掴まれ部分が熱くて、



怖いのか・・・不安なのか、分からないけど、何だか落ち着かなくて、胸の奥がザワザワする。




「別にムリヤリ付き合ってるわけじゃねーよ。お前、邪魔なんだよ。」



「それでも、俺はお前から成沢を奪う。絶対に、俺のものにする。」





睨み合う二人の目は真剣で、私はどうすればいいか、分からなくて、ただ怖かった。




「コイツに手出したら、殺す。脅しじゃねーぞ。」



「ふーん。殺せば?そんなの怖くないよ?」



二人の冷静な口調がよけいに怖かった。



「二人ともやめてよ!アツ、殺すとか、簡単に言っちゃダメ!!佐山くんも!!私はアツとは別れない。佐山くんの事、友達以上には好きになれない。本当にごめんなさい。」




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