勢い良く腕を掴まれて、目の前にはアツのドアップ。



自転車がガシャンと音を立てて倒れる。



「他の男と比べんな。興味持つな。」



「アツ?」



鋭い目が私を真っ直ぐに捉える。



「返事は?」



「・・・はい。」




抱き寄せられて、重なる唇。



アツのキスは今日も優しい。



そういえば、今日キスしてなかったね?


どんなにカッコいい人を見ても、どんなに魅力的な人に出会っても、



私の心臓をこんなにドキドキさせるのは、アツだけ。



私は、この恋を大切にしたい。



誰にも負けないくらい、アツの事大切だからさ。




「俺だってお前の事めちゃくちゃ好きなんだからな。」



すごいセリフを言ったアツの顔が見たかったのに、アツは絶対に見せてくれない。




暗い道の真ん中で、街灯の光を浴びながら、立っていられないくらいの、甘いキスを繰り返す。




こんな私達だけどさ、けっこうナイスなカップルだよね?




「アツーっ好きーっ!!」



「叫ぶなバカっ!時間考えろよっ!!」




えへへ・・・



また怒られちゃった。




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