実はお父さんより大変だったのがアツ。


バイトがしたいと言った私をギロッと睨んで、即刻却下。



「何が欲しいだよ?俺が買ってやるよ!」



なんてキレて言われたけど、ちょっぴり嬉しかった。



でもアツのプレゼントをアツに買わせるなんて、有り得ないでしょ?



私はアツのお許しをもらえないまま勝手に面接を受けた。



それを報告すると、今までにないってくらい怒られちゃったけど、なんとか今日の初出勤の日を迎えた。





カラオケ屋に着いて、渡された制服に着替える。



いろいろバイト経験があるユミでさえ緊張してるんだから、私の緊張はハンパない。



初日の私達にはそれぞれ1人ずつ担当の先輩がついて教えてくれるらしい。



私に教えてくれるのは、


「矢島颯太です。よろしくお願いします。」


「あっ成沢小南です。よろしくお願いします。」



マジでヤバいくらいカッコいい男の子。


アツといい勝負?


・・・えへっ


アツの方が、ちょっとだけ勝ってるかな??


なんて・・・



「緊張してる?そんな難しい事ないから大丈夫だよ?」


「あっはい。」



爽やかな笑顔で、とっても優しい。



不安だったけど、こんなに優しい先輩がいるなら、なんとか頑張れるかも?




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