電車に乗って向かった繁華街。



若いカップルが幸せそうにデートを楽しんでいる。



アツは珍しく、お家を出た時からずっと手を繋いでくれている。



「アツ、今からどこ行くの?」



わくわくしながら聞いたのに、



「はぁ?考えてねーよ。お前が行きたいとこに行くんだろ?」



「えー!?私だってノープランだよ!アツが考えてくれてると思ってたもんっ!!」



着いてそうそう途方にくれる私達・・・



一番最初に向かったのが本屋さんってどうよ?



デートのお薦め情報が載っている雑誌を買って、とりあえず近くのカフェに入ってランチをする事にした。




「ねぇ何かデートしてますっ!!って感じだよね??」



オシャレな雰囲気のカフェは、何度かユミと来た事のあるお店だった。



でもアツと来ている今日はいつもと違う感じがする。




ペラペラ雑誌をめくりながら、次に行く場所を探すんだけど、ナカナカここって場所が見つからない。



「とりあえず、映画観ようよっ!」



デートの定番。



アツのお家で見るのは、アクションか、ホラーか私のお薦めの韓国ドラマ。



でも今日は何と言っても恋愛映画でしょ!!




「いいよ。お前が観たいヤツにしよ。」


優しい笑顔を向けてくれるアツに胸がきゅーんってする。




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