何度もキスを交わして、抱き合って、気持ちを伝える。




「アツ・・・ばか。何やってんのよっ・・・ダメだよ・・・」




こんな場所で簡単に理性をぶっ飛ばしちゃう程、好きで・・・好きで・・・どうしようもない程、大好きで・・・


「・・・連れて帰りたい・・・」



明日になればずっと一緒にいられるって分かっていても、朝までの数時間離れる事も嫌だと思った。



「アツの家に行きたい・・・」





アツの携帯から、お母さんに電話をかけた。




『もしもし?』


「お母さん、コナミ。」


『アンタちょっと遅いんじゃないの?今どこ?いっくん帰ってるから迎えに行かそうか?』



お母さんの声がすごく大きいから、きっとアツにも聞こえてる。



「いいの・・・。お母さんあのね、今彼氏と一緒にいるんだ。・・・今日、彼氏のお家に泊まってもいい?」



『ええっ!?』



驚いているのは、お母さんだけじゃない。アツだってビックリした様な顔してる。



でももう、アツとの事で、親に嘘をつきたくなかった。



「ダメかな?」



『・・・分かった。誕生日だから特別よ?お父さんには、お母さんが上手く言っておいてあげるから。
コナミ、お誕生日おめでとう。』




急に小声になったお母さん。多分もうお父さんが帰って来てるんだね。



反対される覚悟で言ったのに、お母さんはきっと、今の私の気持ちを理解してくれたんだ。


何だか胸がいっぱいになってまた、涙が溢れ出した。


心配そうに私の頭を撫でるアツ。


きっと反対されて泣いてるんだって思ってる。




「・・・代わって?」


「えっ?」



私の手から電話を取ると、アツはお母さんと話し始めた。



どういう内容か聞き取れないけど・・・



「いえ・・・俺のわがままです。」



私の手をギュッと握って、アツはそう言った。



何となくだけど、二人の会話が理解できた。




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