固まる私の手からカバンを奪うと、それを前のカゴに放り込み、今度は私の腕を掴んで強引に荷台に座らせた。 抵抗する暇もなく走り出した自転車は、どんどんスピードを上げて行く。 「ちょっ止めてよ!降ろしてっ!!」 ここぞとばかりにバシバシと思いっきり背中を叩く。 「ちゃんと捕まっとけよ?」 その言葉と同時に勢いよく坂道を下って行く。 思わず、倉橋の腰に手を回して、背中にしがみつく。 「殺さないでぇ〜!!」 .