「･･･コレ。どうしても今日中に渡したかったから。」



上着のポケットから取り出したのは、アツには似合わない、かわいくラッピングされた小さな箱。



「･･･ありがとう。開けてもいい？」



照れくさくそうに頷いたアツ。



箱の中には、きれいなリング。



ペアで着けるようなシンプルなシルバーリングじゃなくて、星の形をした小さな石が真ん中に輝いていた。



すごくかわいい指輪を自分の左薬指にはめてみると、“お前に似合うと思って”って･･･言ってくれた。



「ありがとう。すごいかわいい。･･･アツは私の事、こんなにかわいいって思ってるんだ？」



嬉しいくせに、ついいつもみたいにからかう様な事を言ってしまう私。



でもアツは真剣に答えてくれた。



私の左手を取って、指輪にキス･･･



「コナミ、ずっと俺の彼女でいてくれる？」




切ない目で私を見つめて、優しい声で、


「お前の事、すげー好きだ･･･」



そう言ってくれた。


今日の私は本当に泣き虫。



何度も頷いて、ポロポロ流れ出す涙は、アツにキスをしてもらうまで止まらなかった。




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