「彼女が一体何をしたっていうんだよ」
ソルトが記憶している分であっても彼女の印象は儚く優しく誠実。
どうしたって罪や罰とは縁遠い姿だと思ってしまうのに。
過去だけに留まらず、今現在まで進行し、さらには未来永劫なんて予測までされている罪。
確かに大罪といえる類の規模のものであるだろう。
でも、そんな長期に渡る罪とはいったいどんなものであるというのか。
ソルトがそんな疑念を感じた刹那、不意に脳裏を掠めた違和感。
あれっ?と思い、慌ててそれを捉えようと意識はすれど捉えることまでは及ばず。
それでも、何かが掠めたのだ。
何かが。
今の疑問と繋がるような何かが。
「……それだ」
「……えっ?」
「お前の中でも薄々話は繋がりを持って見えてきている筈だ。妹が何をし、それによってどんな結果を生み罪となったか」
「……何をし……今に続く……結果……」
「妹が誰であるのか」
「…………………っ……まさか、」
「お前の妹が夜音なのか!?」
ソルトの心情を見透かし、見失った糸を捕まえる助長をするような魔王の言葉。
それに誘われ招かれ、見えた糸の端をわずかにも摘まんでしまえばすべての話が縫い合わさった状態となってくる。
そうして驚嘆の声を発したのだが、百夜の方がその結論を弾くのが早かった。



