「い、妹馬鹿な話って……」
「ああ、こいつは極度のシスコンというのか。妹の事になると実に面倒くさく鬱陶しい奴なんだ」
「愛情故だ」
「それが鬱陶しいっていうんだよ。大体、妹をあの場所に放り込んだのだって刑罰の名の裏に、『ここに閉じ込めておけば余計な思考をさせず自分の傍に置いておける』からなんて妹馬鹿もいいとこの私情込々なものじゃないか」
「そんな私情全開な理由の刑罰なのあれっ!?」
「フンッ、馬鹿を言うな。あれは犯した罪に対して相応の正当な裁きで課した罰だ」
「とか言って、どうせ暇さえあれば妹の観察に走っているのだろう?」
「罪人の観察管理は重要事項だろ」
「って、建前で妹の観察してるってことなんですね魔王さま」
尤もらしい言葉で取り繕ってはいるけれど、裏にはやはり百夜の言ったような私情がチラリチラリと垣間見える。
さすがに狂気とも思えるシスコンぶりにはソルトも呆れ顔を向け始めていたのだが。
「はあ。俺のシスコン云々はこの際否定はしないさ」
「しねえのかよ」
「おい、話を折るな半獣」
「半獣って、…まあ間違っちゃねえけど」
「とにかく聞け。妹の事に関しては勿論傍に置けるなんて私情もあったさ。でも可愛い妹を自分の私情だけであんな虚無の牢獄に閉じ込めるほど狂っちゃいないぞ?」
「…それだけの罪を犯したって言いたいんだろう?」
「そうだ。その罪によって今現在、きっとこの先未来永劫と妹の罪は終わらない」



