「……頼みたいことがあってきたんだ」
「ん、りっくんに?」
「そうだ。……頼みというより…命令にも近いが」
「フッ、りっくんは魔混じりではあるが魔物じゃない。なんなら人間の世に生まれ人間界の法の下に生きてる。だからいくらお前が魔王の権力をかざそうとりっくんがその命に従う必要はないぞ?」
「いちいち小煩い皮肉で揚げ足をとる奴だな」
「お前がいちいち私情混じりにものを語るからだ。何をそんなにりっくんを目の敵にしたような言葉を連ねているのか」
そこマジにっ!!
寧ろそこ真っ先に!!
と、瞬時にソルトの心が反応したことは言うまでもない。
ソルトからすれば何故初対面で殺意まで抱かれているのかと疑問でならなかったのだ。
なんなら【用事】の内容より気がかりで、だからこそ百夜の突込みには心から食いついて魔王を見つめてその反応を待ってしまった。
そんなソルトの心情を知ってか知らずか。
改めてその部分に突込みを入れられた魔王といえば、これ見よがしのあからさまにうんざりとした重苦しいため息を吐き捨てて見せてくる。
そんなため息にうっとソルトが怯んだ刹那、
「俺の妹を誑し込みやがって、」
魔王の口から実に憎々しげにそんな一言が弾かれたのだ。



