「…お前だ」
「……はっ?」
「お前に用があってわざわざ出向いたんだよリッカ」
「何で名前…ってか、初対面の魔王様が何で…どうして俺なんかに用が…」
「ぶっ殺しに、」
「はぁっ!?」
「あ…間違えた」
「っ…なんじゃそりゃっ!」
「そっちは俺の本音だった…」
「っ……」
って……結局殺したいって感情はあるんかいっ!!
間違ってそっちが本音とか逆に怖いわっ!
ってかってか!
何が恐いって、この生気もヤル気も無さそうな淡々スタイルで殺意を滲まされるのが一番恐いっ!!
しかもなんか知らず知らずじわじわ距離詰まって来てるのホラーかよっ!
なんとも掴みにくい魔王の独壇場というのか。
とにかく分かることは何故だかソルトに殺意めいた感情を抱いているということばかり。
流石にその存在感に押されソルトも引き気味に構えてしまっていたタイミング。
「ねえ、冗談でも笑えないんだよねえ」
そんな何処かヒヤリとする声音が響いて来たのはソルトの背後から。
それでも振り返るより早くその小柄な姿は阻む様にソルトの前に立ち魔王の姿を睨め付けると。
「失礼なのはどっちだ?突然踏み込んで来たかと思えば言いたい放題」
「……」
「はっ、本当さあ……冗談は存在だけにしてくれるかなぁ?」
「ろ、六花ぁぁぁぁぁ!!」
「んむぐぅっ…!!」
誰相手にメンチ切っとるんじゃ!
魔王だぞっ!!
と、咄嗟に常識人なソルトが背後から六花の口を塞いだのは言うまでもない。



