それでも、どうやらソルトと六花のやり取りに呆れていたのは百夜だけではなかったらしく。
「本当…一体何を見せつけてくれてるんだろうねえ」
なんて、何処からともなく聞き馴染みのない声音が再度の突っ込みを響かせてきたのだ。
それには三人の意識が瞬時に緊張感を持ち声の主に視線を寄せていて、各々の目には当然同じ人物が映り込むこととなる。
いつの間にかこの部屋に入り込んでおり、いつの間にか百夜のデスク前の椅子に我が物顔で座り込んでいた妙に黒く気だるげな印象の男が。
そう、気だるげ。
どうにもやる気のなさを見た目から感じてしまうのは目元も明らかにならない無造作な黒髪のせいだろうか?
それとも猫背気味にだらしなく座っているスタイルのせいか。
たぶん全部。
シャキッと立てばソルト並みに高身長であろうその男。
服装は実にシンプルな黒いTシャツに黒系のジーンズ。
細身の体ではあるが露出している腕などを見る限りでは程よく筋肉もついているのが窺える。
そして、チラリチラリいたるところで光るボディピアスの数もなかなか。
ファッション的にはシンプルかつお洒落な印象ではあるというのに。
どこか根暗な雰囲気を醸し出しているのはやはり目元を覆う前髪や髪形のせいだろう。
まあ、とにかく…胡散臭い。
それがその男の印象だ。



