100年後も、君の代わりになんてなれない


 そんな私に、今度は優ちゃんがそっと手を伸ばしてくる。何も感じないはずなのに、触れた背中は暖かく感じた。


「希衣、あたし、謝らなきゃいけないことがあるの」


「……な、なに?」


 そばにあったティッシュ箱から三枚ほど取り出し、止まらない涙と鼻水を拭き取りながら聞いた。

まだ息が乱れていて、細かく酸素を補充する。


「あのね……。あたし、許されないことした。ほんとに、あの、許してもらおうなんて思ってないから。あたしの自己中心的な思いのせいで……。本当にごめん」

「ど、どうしたの? 優ちゃんは何も悪いことなんてしてないよ?」


 あまりに申し訳なさそうに俯く優ちゃんにそう言うと、今度はきゅっと目を瞑って、何度も首を横に振った。