ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

「あの」


「やっぱ変だよ、あんた」


そう言うと、三神くんは大きく溜息を吐いて、椅子に腰かけた。


「嫌われてんのかと思ったわ」


「そんな」


「そんなって、避けてたでしょうが」


「その節は大変申し訳なく……」


意識すれば意識するほど、上手く話せなくなって、本当はもっと三神くんのことが知りたいのに、反対のことをしてしまったこと。


今まで気にならなかった小さなことが、どうしようもなく気になってしまったこと。


思い返せば、嫌われてると捉えられても仕方がない。


でも、もう大丈夫な気がする。


まだ胸はドキドキするし、挙動不審なのかもしれないけど、三神くんの纏う空気は、きっとずっと柔らかいから。


変に意識しなくても、その優しさに任せてしまえばいいんだ。


自然でいるって難しいように見えて、意外と簡単なのかもしれない。


当たり前に世界が回っていくように、私もただ、そこにいるだけでいい。


「よかった」


三神くんはそう言った。


それがどんな意味のよかったなのか、私には想像がつかないけれど、それはとても温かい響きをしていた。