ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

遠くの芝生ではバーベキューを大方終えたクラスメイトたちが、何やらレクリエーションの準備を始めていた。


天気がいいので、商品を賭けた水風船合戦をするらしい。


班から二人選出していいことになっているので、うちの班からはお肉をハムスターみたいに頬張った篠宮くんと、軍師の和香ちゃんが参戦。


私と三神くんは濡れるのを遠慮して、テーブルに腰掛けながら合戦を応援し、残りの食材を片付ける役目を担う。


しばらくすると、きゃあきゃあと弾ける声が聞こえ始めた。


意外と高校生でも盛り上がるのか、もしくは高校生だから童心に帰りたくなるのか、かなり白熱している模様だ。


篠宮くんと和香ちゃんは、すごい勢いで敵に水風船を命中させている。


私は時々こちらを窺う幼馴染'sをジェスチャーで褒めながら、向かいに座る三神くんに話しかけた。


「三神くんは参戦しなくて良かったんですか?」


三神くんは皿をつついている手を止めずに「濡れるから」と一言で答える。


左手で扇いでいるうちわの風がお裾分けのように髪を撫でて、頬をくすぐっていた。


「確かにまだ水遊びには時期尚早って感じ。……あ、篠宮くん被弾した」


「あいつ目立ち過ぎ。だから狙われんだよ」


「でも和香ちゃんの方は奮闘してますね」


「斎藤は当てた後が怖い」


三神くんが苦虫を噛み潰したような顔をしているから、私は思わずくすりと笑ってしまう。


「三神くんにも怖いとかあるんだね」


「いいんちょー、俺のことロボットだとでも思ってんの?」


「違うけど……ずっととんがってるイメージだから」