*
人とテーブルの波を縫って1班の席へとやってくると、私は班のリーダーに経緯を説明して、それから保冷バッグの中から小分けにしたお肉を取り出した。
「つまらないものですが……」
袖の下はおずおずと差し出された後、予定通りリーダーの手の内に収まる。
「やだいいんちょー律儀!いいよ、野菜持っていきな。ちょうど余ってたからその辺の取ってって」
「ごめんなさい。本当にありがとう」
謝りつつも、内心はガッツポーズ。
とりあえず第一関門はクリアだ。
後ろで控えている三神くんは特に何も仕事をしていないけれど、大人しくしているのでよしとしよう。
そう思いながら、班員の子から野菜を頂いて保冷バッグにしまう。
この調子で5班まで辿り着けたら上出来だ。
会場の奥の方を伺うと、幼馴染み'sの方も上手くやっているようで、時折篠宮くんを揶揄う笑い声が聞こえてきた。
篠宮くんは持ち前の愛嬌でぺこぺこ頭を下げ、おまけも十分に貰っているみたいだ。
こちらも負けていられないと、丁重に挨拶をして、私は次の班リーダーの元へと向かう。
2班は確か、光石さんが班リーダーだったはず──と記憶を辿って、はた、と気づいた。
たぶん、あの時階段下で話していた子は光石さんとその友達だ。
決めつけは良くないと思いつつも、前々から三神くんのことをよく思っていないらしいことは知っていた。
それに少し掠れたようなハスキーな声が、まだ私の耳に残っている。
私ひとりで、と思ったけれど、それでは何一つ変わらないと独りごつ。
これは三神くんだけじゃなくて、私の問題でもあるんだ。
私は三神くんに悟られないよう、少しだけ緊張した面持ちで光石さんに話しかけた。
人とテーブルの波を縫って1班の席へとやってくると、私は班のリーダーに経緯を説明して、それから保冷バッグの中から小分けにしたお肉を取り出した。
「つまらないものですが……」
袖の下はおずおずと差し出された後、予定通りリーダーの手の内に収まる。
「やだいいんちょー律儀!いいよ、野菜持っていきな。ちょうど余ってたからその辺の取ってって」
「ごめんなさい。本当にありがとう」
謝りつつも、内心はガッツポーズ。
とりあえず第一関門はクリアだ。
後ろで控えている三神くんは特に何も仕事をしていないけれど、大人しくしているのでよしとしよう。
そう思いながら、班員の子から野菜を頂いて保冷バッグにしまう。
この調子で5班まで辿り着けたら上出来だ。
会場の奥の方を伺うと、幼馴染み'sの方も上手くやっているようで、時折篠宮くんを揶揄う笑い声が聞こえてきた。
篠宮くんは持ち前の愛嬌でぺこぺこ頭を下げ、おまけも十分に貰っているみたいだ。
こちらも負けていられないと、丁重に挨拶をして、私は次の班リーダーの元へと向かう。
2班は確か、光石さんが班リーダーだったはず──と記憶を辿って、はた、と気づいた。
たぶん、あの時階段下で話していた子は光石さんとその友達だ。
決めつけは良くないと思いつつも、前々から三神くんのことをよく思っていないらしいことは知っていた。
それに少し掠れたようなハスキーな声が、まだ私の耳に残っている。
私ひとりで、と思ったけれど、それでは何一つ変わらないと独りごつ。
これは三神くんだけじゃなくて、私の問題でもあるんだ。
私は三神くんに悟られないよう、少しだけ緊張した面持ちで光石さんに話しかけた。



