ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)




お肉を小分けにしながら、私たちは各班を回るための打ち合わせを始めた。


「私と仁が10班から回るから、未琴と三神は1班からね。事情説明して、無理そうなら別に貰ってこなくて大丈夫だから」


「皿類は?どこから貰えばいい?」


「あとで仁が先生たちのとこ行って分けてもらって」


「分かった」


和香ちゃんが最後のお肉を包んで、よし、と腰に手を当てる。


「じゃあ回ろうか」


それぞれが手に持ったお肉は、いわば袖の下だ。


黒毛和牛には適わなかったけれど、結果的に少しいいお肉にしていたのには助かった。


こうなったらもう、上手くやるしかない。


「それなんだけど」


足を踏み出しかけた時、最後尾にいた三神くんが私たちを呼び止めた。


「どうしたの?」


振り返れば、三神くんは低い声で呟く。


「俺、いない方がいいんじゃねぇの」


「え?」


全部で9つの班を回るから、人では多い方がいい。


それに三神くんだって、篠宮くんを手伝うためにお肉の準備をしていたはずだ。


いない方がいいなんて、そんなことないって、みんな分かっているのに。


私は首を傾げる。


「どうして?」


尋ねてみても、三神くんは答えてくれない。


もう一度名前を呼ぶと、三神くんは渋々といった感じで口を開いた。