ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

「なぁ、あそこで待ってんの綾芽ちゃんじゃね?」


「あー、絶対キレてるわ」


「あいつ煙草の本数増えるの俺らのせいにし過ぎじゃない?吸ってんの自分だろうがよ」


「あれの前世はニコチンだよ多分」


きゃっきゃと明るい声で談笑する幼馴染み'sの後を追いながら、私は三神くんの後ろ姿をじっと見つめる。


微かについた寝癖が、歩く度に揺れていた。


どうして、いつもみたいに話せないんだろう。


隣に居たくて、みんなの誤解を解きたくて、遠足に誘ったのに。


もやもやする気持ちは留まることを知らない。


でもなぜか、新しいことを始める時のような、これからを期待する時のような、瑞々しく優しい感情が、同時に心の奥から溢れてくるのだった。