ふりむいて、好きって言って。(仮/旧:三神くんは恋をする)

「ていうか安全ピンって……」


「いいんちょーはやらない方がいいですよ、すぐ泣くから」


三神くんは真顔を装っているけれど、からかっているのは明白で。


この間は特別涙腺が弱かっただけで、何でもかんでもすぐに泣くわけじゃないのに。


そう思っていたら、


「顔に出過ぎ」


こちらを見ることもせずに鼻で笑われる。


私は悔しくなって、私だって、と言い返す。


「ピアスくらい余裕です」


口を尖らせて、強がり。


ピアスを空ける勇気もないくせに。


「え、まじ?もしかして空いてんの?」


驚いたように三神くんは私の方へ手を伸ばす。


そして──


「わ、ぁ!」