三神くんは左耳にピアスの穴が3つも空いていた。
校則では禁止されているのだけれど、入学した時にはもう既に穴があったから、穴については黙認されている。
ただ、ピアスをつけるのは流石に、ということで、生徒指導部の先生によく怒られていた。
三神くんは懲りずにずっと付けていたけれど。
あー、と言いながら、三神くんが左手の指先でピアスに触れる。
小さな銀の輪が、太陽を反射した。
「安全ピンで空けたから、それなりに。ダチも俺も空けたことなかったし」
「中学の友達?」
いや、と三神くんは一度否定するけれど、少し考えて首の後ろを撫でた。
「まぁ、うん。そんなもん」
言い直した肯定に、私は若干の違和感を覚える。
和香ちゃんが前に、三神くんの中学時代は今よりもっと荒れてたって言っていた。
多分学校にもほとんど行ってなかったんじゃないか、と思うのだけど、学校に友達はいたんだろうか。
私は会ったこともないその人を想像する。
私の知らない三神くんを知っている人。
三神くんに似てやんちゃで、ちょっとテストの点が低くて、耳にはピアス。
中学生の頃の三神くんを知っているのが、私は少し羨ましかった。
校則では禁止されているのだけれど、入学した時にはもう既に穴があったから、穴については黙認されている。
ただ、ピアスをつけるのは流石に、ということで、生徒指導部の先生によく怒られていた。
三神くんは懲りずにずっと付けていたけれど。
あー、と言いながら、三神くんが左手の指先でピアスに触れる。
小さな銀の輪が、太陽を反射した。
「安全ピンで空けたから、それなりに。ダチも俺も空けたことなかったし」
「中学の友達?」
いや、と三神くんは一度否定するけれど、少し考えて首の後ろを撫でた。
「まぁ、うん。そんなもん」
言い直した肯定に、私は若干の違和感を覚える。
和香ちゃんが前に、三神くんの中学時代は今よりもっと荒れてたって言っていた。
多分学校にもほとんど行ってなかったんじゃないか、と思うのだけど、学校に友達はいたんだろうか。
私は会ったこともないその人を想像する。
私の知らない三神くんを知っている人。
三神くんに似てやんちゃで、ちょっとテストの点が低くて、耳にはピアス。
中学生の頃の三神くんを知っているのが、私は少し羨ましかった。



